下野1番札所の寺
坂東十八番日光山中禅寺前立、下野三十三観音霊場第1番札所である清瀧寺は、
明治時代に2寺が合併して現在の姿となった。
清瀧寺と円通寺である。現在の寺は、円通寺の場所にある。
清瀧寺は、弘仁11年(820)に弘法大師が創立。
後に慈覚大師によって天台宗に改宗され、満願寺(現在の輪王寺)別院となった。
円通寺は日光山ゆかりの勝道上人作である千手観世音を安置するために建暦3年(1213)に創建された。
その後たびたび改築されてきたが、現在の堂宇は万治2年(1659)の再興になったもの。
昭和12年(1937) に大修理が行われた。
両寺とも江戸時代には篤い信仰の寺であったが、明治の混乱期に無住となってしまった。
その後、古河電工の進出で町が発展したのを期に明治42年(1909)に円通寺と合併して復興した。
清瀧寺には本尊の他、円空作の不動三尊が安置されていることでも有名。
現在も清滝の美しい自然に囲まれ、おのずと頭を垂れる心持ちになる境内で、
地域の信仰を支えている。境内の一角には、江戸時代の追分碑がある。