閑静な住宅地にたたずむ今市七福神「布袋」の寺
日光市(旧今市市街)の閑静な住宅地の中に優しくたたずむ同寺は、
観音寺の末寺として江戸時代初期に創建されたと伝えられている。
村の記録をひもとくと、当時地域内に寺が無かったため、
観音寺にお願いして創設していただいたとある。
当初は琴平山麓に建立されたが、後に平ヶ崎下原に移り、
明治維新後に日光線の開通に合わせ、明治末期から大正初期にかけて現在の地に移転した。
本堂は昭和39年(1964)に建て替えを行い、地域の寺として信仰を集めている。
同寺は関東百八地蔵尊霊場の第48番札所であり、
信仰あつい人々が市文化財にも指定されている
石造の地蔵菩薩坐像に手を合わせる姿も見られる。
また、今市宿七福神の一つ「布袋尊」もあり、
七福神巡りのルートにもなっているため観光客が訪れることもあるが、
境内の静かな空間を乱すことなく、ていねいに参拝するという。
近所には今市高校があり、境内でも若いはつらつとした声を聞くことができる。