鬼怒川板戸河岸の一 祈願寺
宝泉寺の開基は不詳だが、鎌倉時代に紀州熊野三社権現の勧請寺として
創立されたとも伝えられている。
北関東の水運の要衝、鬼怒川板戸河岸の商売繁盛、水運の安全を祈願する寺として、
河岸の変遷とともに盛衰してきた歴史を持っている。
本堂には、ご本尊である阿弥陀如来の脇侍として不動明王と弁財天を祀っており、
同寺の縁起がそこにもうかがうことができる。
また、境内の峰を切り通して横切る山道は、
板戸河岸から高根沢、烏山を経て白河の関(福島県)に続く古道「関街道」である。
現在の本堂は比叡山開創1200年記念事業として、
平成12年(2000)に境内を峰上に拡張して新築したもの。
約260年前に建てられた旧本堂は、その昔釈迦如来像を祀っていたとする伝により、
釈迦堂として峰下に残されている。
その側には寺号の由来である「宝の泉」が今も湧き出ており、
弁天池の源となっている。