開静な環境にある円仁ゆかりの寺
開基は大同2年(807)、慈覚大師円仁ゆかりの寺と伝えられるが、
古い記録等はすべて失われてしまっており詳細は不明である。
慶応年間に無住となり、一時期は近隣の智音寺の兼務寺となっていた。
第二次大戦後、改めて住職が入り現在に至っている。
平成元年(1989)に本堂を新たに建て直した。
また平成9年(1997)には、本尊の木造阿弥陀三尊立像を修復した。
この阿弥陀仏は江戸時代の作と伝えられている。
寺の脇に建っている薬師堂は以前は圓満寺に属していたが、
無住の時代が長かったために、現在では地元の上石川自治会の管理となっている。
薬師堂内に安置されている薬師如来坐像は、本邦最古の鉄仏で県文化財である。
毎年8月6日に開帳しており、その際は住職が読経している。
確かなことは不明だが、
同寺の山号が「醫王山」「薬王院」と、いずれも「薬」に関係していることから、
昔は薬師如 来が本尊であったとも推測されるが、現時点でははっきりしていない。
墓地内には永代供養石造観音立像と慈覚大師供養塔がある。
田園地帯に位置する同寺は、閑静な環境に静かな佇まいを見せている。