南高台景勝に建つ桜の古刹
長命寺は天安元年(857)慈覚大師円仁が巡錫の際に、
南高台景勝の浄地に道場を建てられたことを起源とする。
その後、建久4年(1193)5月に現在の地に建立した。
その伽藍は客殿8間半に7間、書院5間に3間、庫裡10間に4間半、
念仏堂5間半に3間、他に山門や鐘楼など非常に壮麗なものであったが、
落雷など幾度かの火災などでことごとく焼失した。
その後復興は果たしたものの、明治16年(1883) 火災に遭い、
観音堂のみを残して、本堂はじめ仏像、寺宝など全て焼失した。
長年、仮仏殿で法灯を護持していたが、
昭和46年(1971)に第26世貞教大僧正、
檀信徒父祖三代に渡る悲願により再建された。
本堂の菊花御紋章は京都青蓮院門跡より
孝明天皇常用輿の紋を下賜されたものである。
観音堂は治承元年(1177)行基作を安置していたが山火により失い、
現尊像・お堂は鎌倉時代後期のもの。
尊像は秘仏であり、33年に一度開帳される。
石段左右にあった不動堂・閻魔堂は、
明治35年(1902)の暴風で倒壊し取り壊された。
平成23年(2011)3月11日の東日本大震災により大きな被害を受け、
境内地は地割れや亀裂が起こり、本堂をはじめ堂宇のことごとくが大規模半壊となり、
さらに全ての石碑・墓石などが倒壊したが、
檀信徒一丸となって修復修繕に取り組み復興をとげた。
3月から4月にかけては桜が咲き誇り、
秋には紅葉が訪れる人の目を楽しませてくれる。