観音堂を本堂とする地域の寺
千興寺の開山開基は不詳だが、江戸時代以前の寺と思われる。
徳川幕府3代将軍家光より、6石を賜る御朱印が現存しているため、
当時は格式ある寺であったと考えられる。
安政3年(1856)正月に、大火により本堂を焼失した。
明治3年(1902)には、暴風のために本堂が倒壊した。
その後再建されず、現在は観音堂を本堂としている。
本尊の観世音菩薩像は木造で、来歴などは未詳だが、
江戸時代以前の作と思われる。
他に鎌倉時代の作と思われる宝冠釈迦如来坐像もあり、
現在は本寺である真岡市の宗光寺に安置されている。
寺の背後に緑をたたえ、農村地帯の寺である。