旧県議会議事堂ゆかりの寺
史跡・下野国庁跡より車で5分ほどの場所にある觀明寺は、
江戸時代初期この地域に住む、長勘太郎正盛の発願を請けた名僧天海大僧正(慈眼大師)により、
寛永8年(1631)に開山された。
当時は、天海大僧正の開いた上野寛永寺の末寺であった。
明治13年(1880)1月に隣家の火災により類焼し、
本堂・庫裡・観音堂・表門・裏門・什器・書物など、一切を焼失した。
その再建のため、寺と檀家信徒が奔走する中、
明治17年(1884) に栃木県議会議事堂の払い下げの話が出た。
この建物は、もとは遥拝所として建てられたが、
明治12年(1879)以降は県会議事堂として使用されていた。
当時栃木町にあった県庁が宇都宮町に移転したことにより不要となったため、
檀家総代早川倉次氏などが中心となって金80円で払い下げを受け、
明治21年(1888)5月に本堂として再建された。
柱などを見ると、現在では入手が難しいようなみごとな木が使われており、
往時を偲ばせてくれる。
風格のある山門は、戦後にな分って檀家より寄贈されたもの。