慈覚大師開基の皆川地区の菩提寺
皆川寺は通常は、院号の「寳珠院」として親しまれている田園地帯の寺である。
嘉祥3年(850)に慈覚大師円仁の開基と伝えられている。
栃木市野中町にある清谷山地蔵院地福寺の末寺であり、
昭和30年(1955)までは兼務寺であった。
正徳3年(1713)および天保6年(1835)の2度、大火にあって什器・記録等は焼失してしまった。
そのために、開山以来の由緒沿革などの詳細は現在も不明である。
昭和30年(1955)に住職が入って再建され、
地域の信仰のよりどころとして敬われている。
現在の本堂は、昭和63年(1988)の建立である。
他に不動堂、六地蔵などがある。
本尊の阿弥陀如来立像も、詳しい来歴などはわかっていないが、
江戸期のものであると考えられている。
立像の阿弥陀如来像は天台宗の本尊としては珍しいと言われている。
近隣には小学校や特別支援学校があり、農村の文教地区でもある。
東北自動車道栃木ICからも近く、
開発が進みつつある地域の中にたたずむ歴史のある寺である。