最澄御作の薬師如来像を安置
伝教大師最澄が関東を巡った際、
小野寺山大慈寺において一木で四仏の薬師如来坐像を刻し、
そのうち根の部分で刻まれた像が、同寺の如来像であると伝えられている。
その後、慈覚大師円仁がその薬師如来像を本尊として堂宇を建立し、
康安元年(1361)に大慈寺の僧亮守和尚が長照山華蔵院恵命寺と号した。
江戸中期に現在の場所に移転し、
延寿山真光院滝水寺と寺号を改め現在に至っている。
(「滝水寺古日記校合書」より)
現在の本尊である阿弥陀三尊(阿弥陀如来坐像、観世音菩薩、大勢至菩薩の三尊)は、
この江戸期の移転の際に奉納されたと思われる。
薬師如来像は現在は本堂内に安置しており、公開も可能である。
また寺岡山施薬院薬師寺(通称「寺岡山元三大師」)の本寺であり住職が兼務している。
時代の変化の中で人々に安心をもたらせるよう、
境内には木造の永代供養墓(光明心殿)が造られた。
国道50号から県道11号にそって南へ車で5分ほど行った田園地帯にある寺は、
近隣を東武日光線の線路が走っているものの、静かな環境の中に建つ古寺である。