静かで穏やかな信仰の寺
足利市の市街地から少し離れた場所に位置する光明寺は、
開山の詳細は不詳である。
江戸時代に2度にわたって大火を被り、
そのために記録などが残っていないという。
同寺の境内には以前護摩堂があり(現在の戦没者慰霊碑の場所)、
中には不動尊が安置されていたが、
そこに「天和3年(1683)」の札があったという。
また本堂須弥壇にも「宝暦」と読める書き込みがあり、
それらから同寺の開山を
少なくとも江戸初期までさかのぼることが可能と思われる。
本尊の延命地蔵菩薩も来歴は不詳だが、
童子が2体ついていることから、
岩船山の系統のものであると考えられるとのこと。
境内には大木の桜があり、例年3月にはみごとな花を咲かせている。
ひなびた佇まいながら、この時ばかりは
落ち着きの中に華やかさを感じさせる光景になるそうだ。
檀家の人たちは「ここ(光明寺)に来ると心が安らぐ」と話す。
街の中にありながら、信仰の確かさ
安らぎを強く感じさせてくれる寺である。